弓手 研平

Kenpei Yunde

弓手研平氏の作品は、何層にも塗り重ねた絵の具を削り、磨くことで独特の滲みや輝きを生み出し、柔らかな色彩と輪郭ながら強い存在感を持つのが特徴です。

弓手氏の代表的なシリーズとして、日本国憲法をテーマに5年かけて制作した110点の絵画が挙げられます。その中で「人としての幸せ」に焦点を当てたことをきっかけに実施したブータンでの取材では、人間同士の素朴なつながりを大切にしている様子に気づきました。舗装されない道路や水たまりが象徴するのは、遠出をして財産を築くことよりも家族とともに暮らすことを重視する選択の現れであり、これが作品の重要なモチーフとなりました。
現在ではそのテーマからさらに展開し、「人にとっての幸せとは何か?」をテーマとして描き続けています。

作品制作は、必ず「土」を描くことから始まり、耕すように描き込む工程が特徴的です。「土」が完成した後に、雨や木、水たまりなどが描かれ、自然と共にある人間らしい幸せを丁寧に表現しています。

幸せの表現を追い求め描き続ける弓手研平。誰もが当たり前に持っているはずのものに、人は弓手の絵を通して気づかされ、心を動かされます。

BIOGRAPHY

略歴

1970年大阪府生れ。
1996年大阪芸術大学美術専攻科修了。1997年昭和会展日動美術財団賞。一水会展佳作賞3回、新人賞(’95)、文部科学大臣賞(’13)。2009年損保ジャパン美術賞。
現在、一水会常任委員、研水会委員、日本美術家連盟会員など。